タスペーサーの重要性 ~雨漏りから屋根を守る、タスペーサーとは

投稿日:2019年3月15日  更新日:2024年5月9日

屋根塗装には「縁切り(えんぎり)」という工程があります。

現在では「タスペーサー」という縁切り部材を使用するのが一般的です。

見積もりを見た時に「縁切り」とか「タスペーサー」とかあってもなんのことか分かりませんよね。

 

ですが、「縁切り」や「タスペーサー」は、屋根塗装を行う上で重要な作業となっておりますので、これから屋根塗装をご検討している方は、ぜひこちらの意味を押さえておいていただきたいです。

 

簡単に説明しますと、

 
縁切り
「塗膜に切り込みを入れて屋根材と屋根材の間に隙間を作る作業」

タスペーサー「縁切りを簡単に行うための道具」 

 

となっております。

 

「縁切り」や「タスペーサー」は、雨漏りを防ぐ重要な作業です。 

(ただし、すべての屋根で必要な作業ではありませんので、LOHASではきちんと屋根の状態を確認してから必要であればご提案しています。)

 

【縁切りはスレートの塗り替え時に必要な作業】

 

スレート屋根

スレート瓦 

屋根材は軒先から棟に向かって一枚ずつ重ねて葺いています。

隙間なくぴったし葺かれているように見えますが、屋根材が重なるところは隙間ができます。

 

この隙間は屋根材の下に入り込んだ雨水を外に排出し、湿気のこもりも解消します。

隙間があると「雨が入り込んで雨漏りしてしまうんじゃ?」と心配されるかもしれません。

 

しかし、屋根の防水を担っているのは、屋根材の下にあるルーフィング(防水紙)です。

ルーフィングが正常に機能しているかぎり、屋根材の下に水が入っても雨漏りしません。

 

例えば新築の場合ですと、天候によっては次の日に雨に見舞われてしまうケースもありますが、屋根にルーフィングが敷かれていれば、そこから水が染み込んでくることはありません。

ですから、よく新築では屋根をつくったらその日までにルーフィングを敷設してしまいます。

 

少しは話しが逸れてしまいましたが、屋根材の重なりにある隙間は「雨水を外に排水するため」と「湿気を溜め込まないように通気をとるため」という大事な役割があります。

 

【屋根塗装で必要な隙間がなくなってしまう】

塗料は塗装前だと液体ですが、塗った後は硬化して塗膜を作ります。

スレートを塗装するとこの塗膜が隙間をふさいでしまいます。

 

隙間をふさぐといっても完全に密閉されているわけではありませんので、毛細管現象などで内部に水を引っ張ってしまい、屋根材の下で水や湿気が溜まり、ルーフィングや下地材が痛んでしまって、やがて雨漏りにつながってしまうのです。

 

【そこで行われる作業、屋根材と屋根材の間に隙間を作る「縁切り」】

スレートやセメント瓦は防水のために定期的に塗装が必要です。

しかし、塗装すると塗膜による密閉で雨漏りの危険性がある……このような問題を解消するのが「縁切り」です。

 

従来の縁切りは、塗装後にカッターや皮すきと呼ばれる道具で塗膜に切り込みを入れて隙間を設けていました。

塗膜を切り込むことで隙間が確保され、雨水や湿気が外に逃げて雨漏りを防ぎます。

ただし、従来の縁切り方法は、塗装した後に作業を行うため、屋根材を傷つけてしまうデメリットがありました。

 

また、一つ一つ手作業で行いますから精度も安定しません。

このような問題を改善するために登場したのが「タスペーサー」です。

 

【「タスペーサー」は縁切りを簡単にできる部材】

 

従来の縁切りは、仕上がった屋根材を傷つけてしまうデメリットがありました。

このような問題を改善するのが「タスペーサー」です。

 

 

タスペーサーは上記の写真にある形をする部材です。

タスペーサーを屋根材の重なりのところに差し込み、タスペーサーの厚み分、屋根材が浮き上がり隙間を確保します。

 

タスペーサーを使用するメリットは、

 

①美観を保つ、②工期短縮、③価格が安い

 

という3点です。

 

【①美観を保つ】

タスペーサーは従来の縁切りとは違って下塗りした後に取り付けることができます。

塗装が仕上がる前に縁切りを行えますので、屋根を美しく仕上げることができます。

タスペーサーを設置する屋根塗装の工程は下記のとおりです。

 
タスペーサーの工程
1.下地調整→2.下塗り3.タスペーサー挿入→4.中塗り→5.上塗り
 
縁切りの工程
1.下地調整→2.下塗り→3.中塗り→4.上塗り5.縁切り

 

【②工期短縮】

従来の縁切りは、職人の手で一枚一枚塗膜に切り込みを入れていくため作業に時間がかかりました。

さらに塗膜は熱で伸びたり、縮んだりしますので、切り込みを入れた後も仕上がりを確認する必要があり、精度も安定しません。

 

タスペーサーの場合は、屋根材に差し込むだけと施工が容易であること、そして時間も短縮できるメリットがあります。

 

また、手作業よりも精度が安定しておりますので、塗装後の不具合も心配する必要がありません。

従来の縁切りは職人2人で行なって作業時間が約1日タスペーサーの場合は職人1人で行い約2時間程度とかなり工期を短縮できます。

 

【③価格が安い】

従来の縁切りは作業に時間がかかり、人手もいりますので、費用が5〜6万円ほどとタスペーサーよりも高くなる傾向です。

タスペーサーの単価は1個20〜50円ほどでして、20〜30坪くらいのお家なら700〜1000個ほど必要です。

それでも費用は1.5〜5万円程度で抑えることができますので、従来の方法よりも費用を安く済ませることが可能です。

 

屋根塗装についてはこちらの「屋根塗装をする目的と必要性。目的に応じたメンテナンスが重要!」もご覧ください。

 

【最後に】

屋根塗装は雨漏りを防ぐために「縁切り」を行う必要があります。

これから屋根塗装をされる方は必ず「縁切り」の工程をチェックしてください(縁切りが不要な屋根もあります)。

 

また、費用面や作業効率を考慮して従来の縁切り方法ではなく、タスペーサーをご希望される方がほとんどかもしれません。

ですが、前述にあるとおり縁切り不要な屋根縁切りを行う必要があってもタスペーサーを設置できない屋根もあります。

 
LOHASでは、お住まいの屋根をしっかりと調べさせていただいた上で、縁切りが必要な屋根であれば、タスペーサーでの縁切りをご提案させていただいています。
 
屋根の状態に少しでも不安な点があれば、お気軽にお問い合わせくださいね。
LOHASの無料診断は屋根・外壁問わずお住まい全体をチェックいたします!

 

無料診断はこちらの「屋根・外壁0円診断」をご覧ください。

 

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