雨どいの劣化症状とは?部材別のチェックポイントと交換時期を解説
投稿日:2019年3月14日 更新日:2026年8月25日
雨どいは、屋根に降った雨水を集めて地面や排水管へと導くための大切な設備です。当たり前のようにある存在ですが、雨どいが適切に機能しないと屋根から流れ落ちた雨水が外壁や基礎周辺に集中し、汚れや劣化を招く原因になることがあります。
雨どいも他の外装部材と同じように、年数の経過とともに少しずつ劣化していきます。しかし高い場所に取り付けられているため、不具合が起きていても気づきにくいのが実情です。
今回は、雨どいのメンテナンス時期を逃さないために、部材別の劣化症状と劣化の原因、そして交換・修理が必要になるタイミングについて詳しく解説します。
雨どいの劣化症状を部材別にチェック
雨どいは「雨どい」という総称で呼ばれていますが、実際にはいくつかの部材の組み合わせでできています。
ここでは代表的な3つの部材、「軒樋(のきどい)」「縦樋(たてどい)」「集水器(しゅうすいき)」に分けて、それぞれの劣化症状を見ていきましょう。
名称を覚えておくと、点検や工事の際の説明がスムーズになります。
軒樋の劣化症状
軒樋は、軒先側にある板(鼻隠し)に水平に取り付けられ、屋根から流れてくる雨水を受け止める部材です。
以下のような症状が見られたら、劣化のサインです。
・色褪せ
・ゆがみ、たわみ
・勾配(傾斜)のくるい
・取り付け位置の不良、脱落
・水漏れ
・支持金具の曲がりや破損
・雨どい内部の詰まり
軒樋は水漏れやゴミ詰まりを起こしやすいので、定期的に点検が欠かせません。
縦樋の劣化症状
縦樋は外壁に沿って取り付けられ、軒樋から集めた雨水を地上や排水設備などへ導く役割を持ちます。
・色褪せ
・破損
・固定金具の破損
・脱落
縦樋を固定している支持金具は、金属製の場合経年劣化によって錆や腐食が発生することがあります。
金属製の金具については、状態に応じて塗装などのメンテナンスを行うことで、劣化を抑えられる場合があります。
また、下屋(1階の屋根など)に這わせている雨どいは「這い樋(はいどい)」と呼ばれ、強風や積雪などによって位置がずれることがあるため、固定状態に問題がないか確認することが大切です。
集水器の劣化症状
集水器は軒樋から流れてくる雨水を縦樋に流す中継地点のような部材です。
集水器は上合(じょうごう)とも呼びます。
集水器の劣化症状はこちらです。
・色褪せ
・脱落
・位置のずれ
・集水器につなぐ縦樋のエルボ(角度部材)の脱落
・破損
・水漏れ
集水器は風にあおられて位置がずれ、軒樋との間に隙間が生じてそこから水漏れを起こしてしまうことがあります。
また、軒樋と同様にゴミが溜まりやすいので、定期的に清掃することをおすすめします。
このように雨どいも年数の経過によって次第に劣化してきます。
劣化したまま放置してしまうと建物の老朽化を早める原因となってしまうため、状態に応じて適切な修理をしましょう。
雨どい修理が大切な理由についてはこちらの「雨どい交換・修理が大切な理由」をご覧ください。
雨どいが劣化する4つの原因
雨どいが劣化する原因は雨や風、太陽光など様々です。
ここでは代表的な4つの原因を詳しく見ていきましょう。
①雨どいのゴミ詰まり
軒樋や集水器はお椀のような形をしているため、落ち葉や砂埃、枝などゴミが溜まりやすくなっています。
鳥が巣を作るために枝などを運んできたり、植栽に囲まれていると落ち葉などが入りやすくなるなど原因は様々です。
ゴミが溜まると水の流れが悪くなり、雨どいの中に水が溜まる状態になります。
そうなると雨どいを接合する接着剤の劣化も早まり隙間が生じて水漏れを起こす可能性もあります。
さらに、ゴミが溜まり続けると重みに耐えきれず、雨どいそのものが落下してしまう恐れもあります。
そのままにするといずれ水の流れが悪くなって雨どいから水が溢れてくる可能性がありますので、定期的に点検と清掃をすることが大切です。
また、軒樋に被せる「落ち葉よけネット」というものあります。
落ち葉対策となりますので、こちらの導入もご検討してみることをおすすめします。
② 経年劣化による勾配のくるい
雨どいは、雨水がスムーズに集水器へ流れるよう、軒樋にわずかな傾斜(勾配)がつけられています。
この勾配は、鼻隠しの下地材に軒樋を吊り金具で固定することで保たれています。
しかし経年劣化によって吊り金具が下がってしまうと、勾配がくるい、水の流れが悪くなります。
水はけが悪くなった雨どいは、雨量によっては水があふれ出し、外壁や基礎を汚して建物の劣化を早める原因になります。
放置すると被害はどんどん広がるため、勾配のくるいに気づいたら早めの対応が重要です。
③ 紫外線による硬質化・変形
現在主流の塩ビ製雨どいは柔軟性のある素材ですが、太陽の紫外線を浴び続けることで次第に硬くなり、色褪せや変形を起こします。
一度硬質化すると元の柔軟な状態には戻らず、雪の滑落や衝撃を受けた際にゆがんだり割れたりしやすくなります。
④ 風・雪による破損・脱落
台風の強風や積雪は、雨どいに大きな負担をかけます。屋根から滑り落ちた雪が軒樋の上に乗ると、支持金具が破損し、軒樋が垂れ下がってしまうことがあります。
この場合、隣接する住宅に水が垂れてしまい、近隣トラブルに発展する可能性もあるため注意が必要です。
雪による雨どいの破損を防ぐためには、屋根の雪止めなどの対策が有効な場合があります。
ただし、屋根の形状や積雪量によって適した対策は異なるため、専門業者に相談することをおすすめします。
なお、台風や積雪などの自然災害が原因で雨どいが被害を受けた場合は、火災保険が適用できるケースがあります。
詳しくは「火災保険を使った修繕工事」もあわせてご確認ください。
雨どいの水漏れは接合部にも注意
雨どいの水漏れは、ゴミ詰まりだけが原因ではありません。
雨どいは複数の部材を接合して組み立てられているため、劣化が進むと接合部に隙間ができ、そこから水が漏れ出すことがあります。
隙間が大きくなるほど漏れる水の量も増え、外壁を汚して劣化を早めるだけでなく、水が滴り落ちる音が近隣トラブルの原因になることもあります。
軽微な不具合であれば部分的な補修で対応できるため、症状が軽いうちの早めの対応をおすすめします。
雨どいの劣化を放置するとどうなる?
雨どいの劣化を放置すると、以下のようなリスクにつながります。
- 外壁や基礎に雨水がかかり続け、建物全体の老朽化が早まる
- 雨どいの重み増加や支持金具の破損により、脱落・落下事故につながる
- 隣家への水はねや騒音により、近隣トラブルに発展する
雨どいの不具合は自分の家だけでなく、近隣にも影響を与える可能性がある設備です。
異変に気づいた際は放置せず、早めに点検・修理を検討しましょう。
雨どいは修理と交換どちらが必要?
雨どいに不具合が見つかった場合、「部分的な修理で済むのか、それとも雨どい全体を交換すべきなのか」と迷う方も多いでしょう。
雨どいは、破損している場所や劣化の程度によって必要な工事が異なります。
小さなひび割れや一部の部材の破損であれば、部分的な補修や部材交換で対応できる場合があります。
一方、雨どい全体の劣化が進んでいる場合や、複数箇所に不具合がある場合は、全体交換を検討したほうがよいケースもあります。
部分的な修理で対応できるケース
雨どいの一部だけに不具合が発生している場合は、部分修理で対応できる可能性があります。
例えば、雨どいの一部にひび割れや小さな破損がある場合は、専用の補修材を使用したり、破損した部材だけを交換したりすることで改善できることがあります。また、支持金具が外れたり曲がったりしている場合は、金具を交換して雨どいを適切な位置に戻すことで対応できる場合があります。
ゴミ詰まりによって雨水があふれている場合も、雨どいそのものに大きな破損がなければ、清掃によって改善できるケースがあります。
ただし、表面上は小さな破損に見えても、内部や周辺の部材まで劣化していることがあります。そのため、自己判断で補修するのではなく、専門業者に状態を確認してもらうことが大切です。
全体交換を検討した方がよいケース
雨どい全体の劣化が進んでいる場合は、部分的に修理しても別の場所で不具合が発生する可能性があります。
例えば、雨どいの複数箇所でひび割れや変形が見られる場合や、紫外線による硬化が進んでいる場合は、全体交換を検討したほうがよいでしょう。
また、雨どいを固定している金具や鼻隠しなどの下地まで傷んでいる場合も、雨どいだけを部分的に交換しても十分な状態に戻せないことがあります。
さらに、既存の雨どいが古くなり、同じ製品や部材が生産終了になっている場合にも注意が必要です。部分的に交換したくても同じ部材を入手できないことがあり、その場合は雨どい全体の交換が必要になるケースがあります。
修理か交換かは劣化の範囲で判断しましょう
雨どいの不具合は、必ずしも「壊れたら全部交換」というわけではありません。
破損した場所や劣化の範囲、雨どいを固定している下地の状態などを確認したうえで、必要な工事を判断することが重要です。
部分修理で済む状態であれば、無理に全交換する必要はありません。
一方で、全体的に劣化しているにもかかわらず一部だけを修理すると、短期間で再び不具合が発生し、結果的に修理費用がかさんでしまう可能性もあります。
「雨どいが傾いている」「雨が降ると水があふれる」「一部が外れている」などの症状が見られた場合は、まず専門業者に点検を依頼し、修理と交換のどちらが適しているのか判断してもらいましょう。
雨どいの交換・修理が必要な時期の目安
一般的に普及している塩ビ製の雨どいは、一般的に15~20年程度が交換を検討する一つの目安とされます。ただし、日当たりや積雪量、風雨の影響、素材、施工状態などによって劣化の進み方は異なります。
なお、雨どいには塩ビ製のほかに銅製・ガルバリウム製・ステンレス製などもあり、素材によってメンテナンス方法や時期は異なります。
雨どいが破損した場合、現行品であれば部材の部分交換が可能で、全体を交換するよりも費用を抑えられます。
ただし、既存の雨どいが廃盤・生産終了になっている場合は部材の調達ができず、雨どい全体の交換が必要になる点には注意しておきましょう。
雨どいは高所にあるため劣化に気づきにくく、不具合が表面化してからでは対応が後手に回りがちです。
築10年を過ぎた住宅では、外壁や屋根の点検とあわせて雨どいの状態も確認するとよいでしょう。早期発見・早期対応を心がけることが、建物を長持ちさせるポイントです。
まとめ:雨どいの異変は早めの点検・相談を
雨どいは目立たない設備ながら、建物を雨水から守る重要な役割を担っています。
色褪せ・ゆがみ・詰まり・水漏れといった劣化症状は、放置すると外壁や基礎の劣化、さらには近隣トラブルにまで発展しかねません。
LOHASでは、雨どいの点検・修理・交換工事はもちろん、無料の建物診断も実施しております。雨どいのメンテナンスでお困りのことがございましたら、お気軽にご相談ください。
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“mu”
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